最新 地学事典 「地球化学的収支」の解説
ちきゅうかがくてきしゅうし
地球化学的収支
geochemical balance
地球上のさまざまな部分(リザーバーと呼ぶ)の間で元素の移動,すなわち地球化学的循環があるとき,関連する全リザーバーにある物質総量は不変であるとする考え。例えば火成岩の風化によって放出される不揮発性元素の全量は,堆積岩および海洋に含まれるそれらの元素の量に等しい。この概念は次式により表現される。
ただし,MigおよびCiigはそれぞれ風化された大陸地殻中の火成岩の全量および元素iの濃度,MsedおよびCised,jは現在の地球上の各種堆積岩j(海洋底堆積物を含む)の全量および元素iの濃度,MswおよびCiswは海水の全量および元素iの濃度,ajは異なった種類の堆積岩および海洋底堆積物の相対的存在度である。多くの元素についてバランスが成り立っており,各リザーバーの化学組成は定常状態にあると考えてよい。場合によってもっと小さなリザーバーを想定することができる。
執筆者:日下部 実
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

