世界大百科事典(旧版)内の埋没谷の言及
【沖積平野】より
… 日本の主要な平野のように臨海部に発達する沖積平野では,その形成に際して最終氷期以後における海面変化の影響を強く受けている。沖積平野の地下には,海面が低下した時期に形成された河谷や河岸段丘がその後の海面上昇に伴う沖積層の堆積によって埋積され,埋没谷や埋没段丘として存在している。また,約6000年前の縄文時代前期ころには,急激な海面の上昇に伴って平野の内陸部にまで海が侵入し,入江が形成されていたことが知られており,平野の地下に発達する沖積層には厚い海成粘土や,当時の入江に生息していた貝の化石などが認められる。…
【埋積谷】より
…一般に氷河堆積物,融氷河流堆積物,河成・海成の沖積層などの厚い堆積物で埋め立てられていることが多いが,ときには火山活動による溶岩や火砕流または急激な土壌浸食によって生じた岩屑などで充てんされている。堆積層に覆われて地下に埋没しているかつての谷地形は埋没谷buried valleyあるいは化石谷と呼んでいるので区別する必要がある。かつて地表であった谷底や谷壁を,堆積物によって覆い隠し,その上に広い堆積面をつくる作用を埋積作用と呼ぶ。…
※「埋没谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」