売込(読み)うりこむ

精選版 日本国語大辞典 「売込」の意味・読み・例文・類語

うり‐こ・む【売込】

[1] 〘他マ五(四)〙
① 買う気をさそって相手に売りつける。売り入れる。
(イ) うまく宣伝したりして品物を売る。
※隣語大方(18C後)一「其時を失れず人参を売込れましたらば」
(ロ) うまく話をして人(自分)を推薦する。また、広く知られたり、よい印象を与えたりするために働きかける。
都会憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉「残った役者を秋帆が浅草興行師へ売り込んだのね」
(ハ) (金品をめあてにして)他人の秘密などを特定の人に知らせる。〔日本隠語集(1892)〕
※卍(1928‐30)〈谷崎潤一郎〉三三「綿貫の売り込んだ材料やったら〈略〉大した問題にはならんかも知れへん」
② 市場で、腰をすえて盛んに売る。売り入れる。〔取引所用語字彙(1917)〕
[2] 〘自マ五(四)〙 うまく宣伝したりして販路が広がる。また、名前が広く知られる。評判をとる。
社会百面相(1902)〈内田魯庵宗教家「折角之まで売込んだもんだから先づ平和な気楽な宗教界を離れない方が…」

うり‐こみ【売込】

〘名〙
① 買う気をさそって、ある商品を売りつけること。また、販路をひろげること。
※隣語大方(18C後)七「先達て送下ました荷物は、事故無売込になりましたそふに御座って」
② うまく話をして人を推薦すること。また、よい印象を与えようと働きかけること。
※不意の出来事(1965)〈吉行淳之介〉「かけ出しの画家漫画家の売込みだろう」
相場が下落しても盛んに売りを続けること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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