壺公(読み)ここう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「壺公」の意味・わかりやすい解説

壺公
ここう

中国の説話に登場する仙人。後漢(ごかん)の時代に、汝南(じょなん)の市場で薬を売る姓名不詳の老人がいた。彼は店先に1個の壺(つぼ)をぶら下げておき、日が暮れるとともにその壺の中に入り、そこを住まいとしていた。これが壺公で、彼は天界で罪を犯した罰として、俗界に落とされていたのである。市場の役人費長房(ひちょうぼう)は、彼に誘われて壺の中に入ったが、そこは宮殿や何重もの門が建ち並ぶ別世界であり、費長房はこの壺公に仕えて仙人の道を学んだという。別世界を「壺中天(こちゅうてん)」とも称するのは、これに由来する。

[桐本東太]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む