日本大百科全書(ニッポニカ) 「夢東際醒」の意味・わかりやすい解説
夢東際醒
むとうさいせい
(1741―1810)
中国、清(しん)代の僧。号は夢東、字(あざな)は徹悟(てつご)、訥堂(とつどう)。豊潤(ほうじゅん)県(河北省)の生まれ。22歳で出家し、『円覚経(えんがくきょう)』をはじめ、法相(ほっそう)、法華(ほっけ)、楞厳(りょうごん)、金剛(こんごう)などの経論を学び、1768年(乾隆33)広通寺(こうつうじ)の如純(にょじゅん)に参じて法を嗣(つ)いだ。のち広通寺に住し、十万弥陀(みだ)の念仏を日課としたという。1792年覚生寺(かくしょうじ)に移って諸堂を建て、1800年(嘉慶5)紅螺山資福寺(こうらさんしふくじ)へ退居し、10年後に没した。法系は臨済(りんざい)宗に属するが、念仏禅のために浄土宗の僧ともされる。『徹悟禅師語録』3巻がある。
[椎名宏雄 2017年4月18日]