大な(読み)おおきな

精選版 日本国語大辞典 「大な」の意味・読み・例文・類語

おおき‐な おほき‥【大な】

連体〙 (形容動詞「おおき(なり)」の連体形から。室町時代以後の語)
① 空間を占める容積や面積が大である。〔日葡辞書(1603‐04)〕
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「笹原を這ひ出すと向ふに大きな池がある」
音量が大である。数量が多い。
洒落本遊子方言(1770)発端「大きな声だぞよ」
③ 規模が大である。盛んである。また、度量などが広い。
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「些(ち)ったア大きな仕事をするが善いぜ」
④ 程度がはなはだしい。たいへんな。
咄本・軽口御前男(1703)四「『お内儀はいくつじゃ』『五十八』『是は大きなとしまじゃ』」
⑤ 大げさな。えらぶった。尊大な。→大きな顔
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉電影「お酒に酔ふと大きな事ばかり云って」
⑥ 価値のある。重大な。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹二一「それほどその夜は二人にとって大きな夜であった」
[語誌]→「おおきい(大)」の語誌

おっき‐な【大な】

〘連体〙 「おおきな(大━)」の変化した語。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)初「うどんのおっきなのもございやァす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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