日本大百科全書(ニッポニカ) 「大森実」の意味・わかりやすい解説
大森実
おおもりみのる
(1922―2010)
国際問題ジャーナリスト。大正11年1月13日生まれ。岡山県出身。神戸高等商業学校卒業後、日本窒素に就職したが退社。1945年(昭和20)8月毎日新聞大阪本社に入社。のち東京本社外信部へ移り、ニューヨーク、ワシントン各支局長を経て、1962年東京本社外信部長となる。ベトナム戦争激化とともに国際報道合戦に単身乗り出し、北爆下のハノイ一番乗りを敢行した。このとき送稿した連載「泥と炎のインドシナ」の記事についてライシャワー駐日アメリカ大使から抗議を受け、これが元で結局1966年1月退社した。大森国際問題研究所を設立後、1967年2月週刊『東京オブザーバー』紙を創刊したが1970年3月廃刊。以後は、フリーの国際事件記者として週刊誌、テレビなどで活躍。のちにカリフォルニア州に在住し、UCI(カリフォルニア大学アーバイン校)の常任理事を務めた。
[高須正郎・伊藤高史]
『大森実著『戦後秘史』全10巻(講談社文庫)』