大豆郷(読み)おおまめごう

日本歴史地名大系 「大豆郷」の解説

大豆郷
おおまめごう

和名抄」所載の郷。高山寺本は「大豆」、東急本・刊本は「大足」と表記する。諸本とも訓を欠き、諸国に同名郷はない。郷域は、「大豆」「大足」を「大多」の誤写とし、中世後期以降の若山わかやまただ郷、現珠洲市南部に比定する説(「日本地理志料」など)、大足すなわち大谷おおたにとみて外浦に流れ出る珠洲大谷川下流域の現珠洲市大谷町にあてる説(能登志徴)、現内浦町松波まつなみにある松波神社(旧八幡神社)の鎮座地が古くは大足山とよばれたと伝えること、八幡神社の建立が弘仁元年(八一〇)とも斉衡年間(八五四―八五七)とも伝え、松波城主の松波義重が御洗米田として大足田一段を寄進したといわれることなどに注目して、大足の地名は元来松波を中心とする地域につけられた可能性が高いとし、大足郷を松波川・九里川尻くりかわしり川の下流域、現内浦町北東部にあてる説などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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