大豆(読み)だいず

精選版 日本国語大辞典 「大豆」の意味・読み・例文・類語

だい‐ず ‥ヅ【大豆】

〘名〙 マメ科一年草。中国北部原産といわれる。古代から中国では五穀の一つとして栽培され、日本にも古く伝来した。現在では、世界中で栽培され、品種数は一〇〇〇を超える。ふつう、高さ六〇~七〇センチメートルで、茎は直立するが、時につる性で二メートルに達する品種もある。全株に褐色の粗毛を密生する。葉は三小葉、まれに五小葉からなる複葉で長柄を持つ。小葉は卵形または長楕円形。夏、葉腋あるいは枝端に短い枝を出し、七~三〇個の小形の蝶形花をつけ、そのうちの少数が実を結ぶ。花弁白色または紫色。莢(さや)は平たい線状長楕円形で、粗毛を密生し、一~四個の種子(豆)を持つ。種子は球、扁球、楕円形など、色は黄、緑、褐、黒、斑(まだら)など品種によって種々異なる。若い実は枝豆としてさやごとゆでて種子を食べる。熟した種子は蛋白質に富み、煮豆・炒豆・豆もやし・納豆・豆腐・味噌醤油・湯葉・黄粉・菓子などの原料とする。また、脂肪も多く、これから搾り取った油を大豆油といい、サラダ油、天ぷら油、マーガリンなどのほか、広く食品化学工業の原料とされる。大豆油を搾った粕は味噌、醤油、菓子、腸詰などの原料にされ、飼料肥料としても用いる。茎や葉は飼料とする。味噌豆。枝豆。畦豆黄豆。まめ。おおまめ。
※正倉院文書‐天平宝字五年(761)造法華寺金堂所解案「十文買生大豆一囲直」

おお‐まめ おほ‥【大豆】

〘名〙 植物「だいず(大豆)」の古名。〔本草和名(918頃)〕

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デジタル大辞泉 「大豆」の意味・読み・例文・類語

だい‐ず〔‐ヅ〕【大豆】

マメ科の一年草。高さ約60センチ。茎の先はややつる状になり、全体に粗い毛がある。葉は3枚の小葉からなる複葉。夏から秋、紫紅色か白色の蝶形花を開き、さやの中にふつう2、3個の種子ができる。中国の原産。若い実は枝豆としてゆでて食べ、熟した種子は豆腐味噌醤油などに広く利用する。みそまめ。あぜまめ。おおまめ。
[補説]種子は、たんぱく質と脂肪を豊富に含むことから「畑の肉」ともよばれる。乾燥した種子100グラム中のたんぱく質は35.3グラム、脂質は19.0グラム。対して、和牛もも肉の赤身100グラム中に含まれるたんぱく質は20.7グラム、脂質は10.7グラムとなっている。
[類語]小豆ささげそら豆落花生レンズ豆ひよこ豆隠元豆莢隠元豌豆莢豌豆グリンピース黒豆鉈豆

おお‐まめ〔おほ‐〕【大豆】

ダイズの別名。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「大豆」の解説

大豆 (ダイズ・マメ)

学名:Glycine max
植物。マメ科の一年草,園芸植物,薬用植物

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