天常立尊(読み)あめのとこたちのみこと

朝日日本歴史人物事典の解説

天常立尊

日本神話の冒頭部,天地創成時に出現する神。トコタチのトコは土台,タチは出現を意味すると考えられ,天の土台出現をその名義とする。『古事記』では天之常立神と表記,天之御中主神に始まる冒頭5神「別天神」の1柱とされ,独神(男女対偶でなく単独で発動する神)として身を隠したという。『日本書紀』ではひとつの異伝(一書第6)に登場するのみだが,いずれの場合も可美葦牙彦舅尊と並記され,また葦の芽様のものから化成したと伝えられる。国常立尊とは名義上対称をなす。信仰された形跡はなく,後裔氏族もない(『新撰姓氏録』の天底立尊を同一神とみれば,伊勢の朝臣の始祖神となる)。観念によって生み出された神格と考えられる。<参考文献>大野晋『仮名遣と上代語』

(寺田恵子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

大辞林 第三版の解説

あまのとこたちのみこと【天常立尊】

記紀神話の神。天地開闢かいびやくの時に現れた神の一。天の恒久性を意味する神。天之常立神。

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