天柱峰(読み)てんちゆうほう

日本歴史地名大系 「天柱峰」の解説

天柱峰
てんちゆうほう

[現在地名]鎌倉市山ノ内

浄智じようち寺の背後、葛原くずはら岡へ通じるハイキングコース沿いにある標高約九七メートルの山。建武元年(一三三四)浄智寺の住持に任じた中国僧竺仙梵僊(貞和四年没)が命名したもので、回鸞かいらん峰・鵬摶峰・甘露かんろ池などとともに浄智寺境致の一つである(扶桑五山記)。「天柱」は世を支えている道義の例えに使われるのが一般的で、文章にもすぐれた竺仙には詩文集「天柱集」がある。

竺仙は元徳元年(一三二九)来朝すると北条高時に厚遇され、浄妙じようみよう・浄智・南禅なんぜん・建長の各寺に住したが、とくに眺望のすばらしいこの一峰を愛して、麓に生前から塔所楞伽りようが(現廃寺)を設けていた(竺仙和尚行道記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の天柱峰の言及

【泰山】より

…魯山・沂山(ぎざん),蒙山の山地とあわせて山東中部の山地を構成する。なかでも泰山が最も高く,主峰の天柱峰(玉皇頂)は標高1545m。山麓地帯は安定した自然をもち,大汶口(だいぶんこう)文化,竜山文化などの新石器時代遺跡も多く分布する。…

※「天柱峰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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