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甘露 かんろ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

甘露
かんろ

(1) サンスクリット語アムリタ amṛtaの訳語で,不死,天酒とも訳される。インド神話では,諸神の常用する飲物で,蜜のように甘く,飲むと不老不死になるという。酒あるいは美味な飲物に対しても用い,仏教の教法にもたとえる。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐ろ【甘露】

[名]
中国古来の伝説で、天子が仁政を施すと、天が感じて降らすという甘い露。
《〈梵〉amṛtaの訳。不死・天酒の意》天上の神々の飲む、忉利天(とうりてん)にある甘い霊液。不死を得るという。転じて、仏の教え、仏の悟りにたとえる。
煎茶の上等なもの。
夏に、カエデエノキカシなどの樹葉からしたたり落ちる甘い液汁。その木につくアブラムシから分泌されたもの。
甘露酒」「甘露水」の略。
[名・形動]非常においしいこと。甘くて美味なこと。また、そのさま。「ああ、甘露甘露

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世界大百科事典 第2版の解説

かんろ【甘露 honey‐dew】

アブラムシ(アリマキ)の排出物。植物の葉や枝に微小な液状となってついており,甘いので甘露と呼ばれる。アリはこれを利用するためにアブラムシを守る(共生)ことがある。よく似た現象に露玉(つゆだま)(草の露のこと)がある。これは植物体から蒸散などで排出された水分が液状の粒となって草や木の葉につくもので,空気中の水蒸気が凝結してできるとは異なる現象である。【内田 英治】

かんろ【甘露】

古代のインド,中国の伝承の霊薬。インドでは,もとサンスクリットのamṛtaで〈死なない〉ことを意味することばであるが,インド最古の古典《リグ・ベーダ》では転じて不死なること,神を意味し,そこから神々の食物や飲料をも意味するようになった。したがって,本来どのようなものであったかは明らかでないが,古代インドの伝承では,しばしばソーマ酒(ソーマなる植物より造った飲料,酒で神に供えられる)と同一視され,みつのように甘く,万病の薬とされている。

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大辞林 第三版の解説

かんろ【甘露】

中国で、仁政が敷かれ、天下が太平になると、天が瑞祥ずいしようとして降らせるという甘い露。
古代インドの甘い飲み物。苦悩を除き、長寿を保ち、死者をも復活させるという。のち仏教でも天人の飲み物とされ、仏の教えのたとえともなる。
(多く、飲み物についていう)非常に美味なこと。 「ああ、-、-」
夏、カエデ・エノキ・カシなどの樹葉から滴る蜜液。アリマキの分泌したもの。
上等な煎茶の称。
「甘露酒」「甘露水」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

甘露
かんろ

古代に、不老不死になるとされた神の飲食物。『老子』によると、中国では天下太平のときに天より降るという。サンスクリット語アムリタamta(不死の意)の漢訳で、インドでは飢渇をいやし不死を得る天人の食物をいう。ベーダではソーマ酒をさす。仏教では、須弥山(しゅみせん)頂上にある三十三天の不死の霊液であり、また仏の教法や涅槃(ねはん)をもいう。なお、ギリシア神話のアンブロシアambrosiaも不死の意で、不老不死になるという神の食物である。[小川 宏]

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世界大百科事典内の甘露の言及

【アブラムシ(蚜虫)】より

…師管の液はアブラムシが必要とするアミノ酸に乏しいので,十分なアミノ酸を摂取するためには,糖分の摂取量が過剰となる。アブラムシの排出物はこの余分な糖を含んでいるので甘く,甘露(かんろ)と呼ばれる。中近東などの乾燥した気候の地方では,甘露が乾いて塊状となったものを集めて食用に供することがある。…

【インド神話】より

…ブラフマー(梵天)はそのへそに生えた蓮花から生じたという。太古,ビシュヌが音頭をとり,神々とアスラ(阿修羅)たちは,アムリタamṛta(甘露)を得ようとして,大海を攪拌した。その際,海中から次々と珍宝が出現し,ビシュヌの妃となったシュリー・ラクシュミーŚrī‐Lakṣmī(吉祥天女)もそのときに海中から現れた。…

【ビシュヌ】より

…シバが山岳と関係あるのに対し,ビシュヌは海洋と縁が深い。太古,ビシュヌが音頭をとり,神々は大海をかくはんして不死の飲料アムリタ(甘露)を得ようとした。ビシュヌはその際に海中から生じたシュリー・ラクシュミー(吉祥天女)を妻とし,宝珠カウストゥバkaustubhaを首に懸けた。…

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