奥鐘山
おくかねやま
黒部峡谷右岸、支流祖母谷との出合にそそり立つ標高一五四三メートルの岩山。奥鐘は奥鐘釣の略で、黒部川に臨む幾つもの鐘釣山のうち最奥の山の意であろう。その日本屈指の大岩壁は、近年岩登りの対象として注目されている。慶安元年(一六四八)の加賀藩の黒部奥山踏査記録(「芦峅村十三郎由緒」国事雑抄)にみえる「つりかね」という地名、元禄一三年(一七〇〇)の奥山御境目見通絵図(県立図書館蔵)などに出る「つりかね山」は、記載位置からおそらく当山のことであろう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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