改訂新版 世界大百科事典 「孫晋泰」の意味・わかりやすい解説
孫晋泰 (そんしんたい)
Son Chin-t`ae
生没年:1900-?
朝鮮の歴史・民俗学者。号は南滄。ソウルの出身。1927年早稲田大学文学部史学科を卒業。33年以降,延禧・普成両専門学校講師,45年ソウル大学校教授,49年ソウル大学校師範大学長,文理大学長を歴任し,50年朝鮮戦争で朝鮮民主主義人民共和国に連行後,消息不明。彼の史観は民族の発展だけでなく,その全構成員がすべて幸福になることを目ざす新民族主義で,主著は《韓国民族史概論》(1948),《国史大要》。1932年4月宋錫夏(そうしやくか)らとともに朝鮮民俗学会を創設。民俗学での主著《朝鮮民族文化の研究》(1948),《朝鮮民族説話の研究》などで,文献を中心に民間信仰の研究,口碑伝承の収集および諸外国との交流・比較を行った。
執筆者:井上 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報