宇久浦(読み)うぐうら

日本歴史地名大系 「宇久浦」の解説

宇久浦
うぐうら

[現在地名]小浜市宇久

若狭わかさ浦と山を隔てて北にあり、若狭湾に面した漁村。山が急傾斜で海岸に迫り耕地はほとんどない。矢代やしろ浦より分離したと伝える。矢代浦との間には網場争論が繰返されるが、次の天文一三年(一五四四)五月二日付の矢代村刀禰・惣百姓中宛の内藤和泉入道書状(矢代区有文書)では、宇久浦の主張は認められなかった。

<資料は省略されています>

以後も両浦の網場争いは続発したが、慶長一二年(一六〇七)四月一一日付の矢代浦惣百姓中宛の沖長門守判物(同文書)では「矢代浦と宇久浦とさうろんのくすや網場之事、双方召出相尋候処ニ、矢代浦ニハ度々(証)跡在之間、あミ場之儀ハ矢代浦ヘ申付候、以来共重此網場之義申出者在之共、右之通申分可遣候」と裁定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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