農林統計上使われる用語で、利用収益者が農作物を栽培しようとしており、かつそこで現実に農作物の栽培が可能である土地をいう。田、畑、樹園地、牧草地が含まれ、また畦畔(けいはん)も耕地の維持に必要なのでこれも含まれる。なお、近年増加している不作付地の一部も統計上は耕地に含めているが、どの範囲までを含めるかは調査者が耕作意思をどのように判断するかによる部分が少なくない。過去1年間以上作物を栽培せず、数年の間にふたたび耕作する明確な意思がないと判断された場合は、耕作放棄地として耕地から除外されている。
日本の耕地面積に関する統計としては、現在「耕地及び作付面積統計」と「農業センサス」の二つがある。前者は実測に基づく属地主義、標本調査結果であり、後者は調査員の面接調査に基づく属人主義、悉皆(しっかい)(全数)調査結果である。耕地面積の実数については、農業センサス結果が実際より過小になることがあるため「耕地及び作付面積統計」がおもに用いられている。「耕地及び作付面積統計」によると、2012年(平成24)の日本の総耕地面積は455万ヘクタールであり、その内訳は田247万ヘクタール、畑116万ヘクタール、樹園地30万ヘクタール、牧草地61万ヘクタールである。
[佐々木隆]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…水田,普通畑,樹園地,桑畑などの肥培管理を行っている土地である耕地と,草地(牧草地や採草放牧を行う草生の土地)を農地という。農地法上は〈耕作の目的に用いられる土地〉をいうが,現在は耕作されていなくても,耕作しようとすればいつでも耕作できるような休耕地や不耕作地もこれに含まれる。…
※「耕地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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