宇宙検閲官仮説(英語表記)cosmic censorship hypothes

法則の辞典 「宇宙検閲官仮説」の解説

宇宙検閲官仮説【cosmic censorship hypothes】

ライスナー‐ノルトシュトリョームブラックホールのもつ電荷が臨界値に到達すると,外部地平面は収縮し,内部地平面は膨張してついに合一する.この臨界値を越えた電荷のブラックホールは「裸の特異点」が出現することになる.これは因果律破綻などいろいろと不都合なことが起きる結果となるので,存在しないだろうという学説と,そのような「目にとまると具合の悪い」(はだかの)特異点を,超自然的な検閲官がいてヒトの眼に触れぬように隠しているのだという学説とがあり,後者を「宇宙検閲官仮説」と呼んでいる.この名称を提案したのはペンローズ(R. Penrose)だそうである.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android