朝日日本歴史人物事典 「安立坊周玉」の解説
安立坊周玉
生年:慶長12(1607)
江戸前期の浄土宗高田派安立寺の僧。立花の技に優れていた。花号宝樹軒。14代池坊専好の弟子。池坊の奥義をすべて伝えられ,16代池坊専養の後見を務めた。『立花図并砂物』(1673,猪飼三左衛門編)と『新撰瓶花図彙』(1698,山中忠左衛門編)に周玉の花形絵51図が残されている。著作伝書の序文の「手に天地の功をうばひて,心に千草万木を弁へ,……師々相承の伝をうけずば,いかでか草一木の好ることはりをしらんや」には伝統を守る意気が感じられる。著書に『正路追加抄』がある。<参考文献>荒木田成李『立華聞書禽抄』写本(京都・柿葉文庫蔵),林屋辰三郎「元禄文化とはな」(『いけばな美術全集』5巻)
(岡田幸三)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報