化学辞典 第2版 「定電位電解」の解説
定電位電解
テイデンイデンカイ
potentiostatic electrolysis
電位，すなわち電極反応の駆動力を一定にした電解操作，あるいは電極特性，電極反応速度の測定方法をいう．定電位電解は，電位が電流変動により変化しないような電源，すなわち電解セルから見たインピーダンスが理想的にはゼロであるような電源を用いて行う．このような装置をポテンショスタットという．定電位電解は，有機電解のような複雑な反応の場合に，特定の反応を選択的に行わせるために用いたり，電流が電位の単調増加関数にならない場合(たとえば，鉄のような不動態化金属のアノード分極曲線)には用いなければならない．速い電極反応の測定は非定常法で行われるが，その一つに定電位法(potentiostatic method)がある．これは，電極にステップ状電位変化を与えたときの電流密度-時間曲線を，あらかじめ適切なモデルにもとづいて解析しておき，反応の電荷移動過程(放電過程)の速度を分離測定する方法である．
出典 森北出版「化学辞典（第2版）」化学辞典 第2版について 情報