電流の空間的な流れを記述する基本量。電流の空間的な流れは、各点において、流れの向きと流れの強さで記述される。流れの強さは流れの向きに垂直な面を通って、単位面積当りに流れる電流の強さである。電流密度とは電流の強さを大きさとし、電流の向きを向きとするベクトルで、単位はA/m2である。一つの面(曲面でもよい)を通って流れる全電流は次のように計算する。 に示すように、まず、面を微小な面に分割する。この各微小面を通して流れる電流を積算する。各微小面において、電流密度Jの面の法線方向の成分をJnとする。これに、微小面の面積を掛けたもの、すなわちI=JnSが、その微小面を通して流れる電流である。
[山口重雄]
導体中の任意の場所を流れる電流を単位面積当たりの大きさで表したもの.単位としては A cm-2,A dm-2 あるいは mA cm-2 などが用いられる.オームの法則に従う導体中では,電流密度iはそこにおける電場の強さをEとすると,
i = σE
で表される.ここで,σは電気伝導率である.電流密度は電流の方向をも含めてベクトル量として考えられることもあり,また電流として変位電流を含めて使用される場合もある.電気化学では,電極における電流密度は,通常,電極の見掛け表面積当たりで表されるので,表面に凹凸のある電極や多孔性電極の場合には真の値と異なることに注意を要する.電流密度は,ファラデーの法則により,電極反応の反応速度に対応するものである.電解においては,電流密度の大小は電流効率の良否,過電圧の大小,電析金属の諸性質などに影響を与える.また,電池の放電の場合においても,適当な電流密度で放電しないと電極の活物質を損傷するので注意を要する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…また,電流の向きは正の電荷の流れる向きと約束する。電流が広い電解質や導体の中で分布しているときは電流密度が用いられる。これは単位面積の断面を通って流れる電流であり,その大きさはA/m2の単位で測る。…
※「電流密度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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