日本大百科全書(ニッポニカ) 「宝づくし文」の意味・わかりやすい解説
宝づくし文
たからづくしもん
如意宝珠(にょいほうじゅ)(これを得れば願いが思いのままにかなうという珠(たま))、打出(うちで)の小槌(こづち)(打てば自分の好むものがなんでも出るという小槌)、宝鑰(ほうやく)(宝蔵の鍵(かぎ))、金嚢(きんのう)(お金の入った袋)、隠れ蓑(みの)(着ると身を隠すことができるという蓑)、隠れ笠(かさ)(かぶれば身を隠すことができるという笠)、金函(きんかん)(黄金の箱)、丁字(ちょうじ)、花輪違(はなわたがえ)などを寄せて描いた模様。松竹梅や鶴亀(つるかめ)などと組み合わせて使用することもある。元来、中国に起源をもつ模様で、その影響を受けてわが国では室町時代以後に賞用された。
[村元雄]