室御厨(読み)むろのみくりや

日本歴史地名大系 「室御厨」の解説

室御厨
むろのみくりや

京都上賀茂社(賀茂別雷神社)領。寿永三年(一一八四)四月二四日、上賀茂社領における武士の狼藉停止を命じた源頼朝下文案(賀茂別雷神社文書)に「室・塩屋御厨」とある。治承四年(一一八〇)の「高倉院厳島御幸記」には「むろのとまり」の「かものみくりや」としてみえる。文治二年(一一八六)九月五日の源頼朝下文(賀茂別雷神社文書)によって、宍粟郡安志あんじ(現安富町)揖東いつとう林田はやしだ(現姫路市)とともに安堵されている。建武三年(一三三六)一一月一八日には足利尊氏が播磨国守護赤松則村に対し、室四郎朝兼による下司・公文職押領を停止するよう命じている(「執事高師直奉書写」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の室御厨の言及

【室津】より

…また《法然上人絵伝》には船に乗った室泊の遊女の姿が描かれている。岬にある賀茂神社は,京の賀茂別雷社の社領であった室御厨(むろのみくりや)を管理するために分祀されたものと推定される。《庭訓往来》には〈室・兵庫の船頭〉とあって,当時室津が日本における代表的な港湾であったことが知られる。…

※「室御厨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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