塩屋(読み)しおや

精選版 日本国語大辞典 「塩屋」の意味・読み・例文・類語

しお‐や しほ‥【塩屋】

[1] 〘名〙
海水を煮て塩を作る家。塩釜のある粗末な小屋
源氏(1001‐14頃)松風「あはれにさるしほやのかたはらにすぐしつらむことをおぼし宣ふ」
食塩を売る店。また、その人。塩売り。
言経卿記‐天正一六年(1588)六月二二日「塩屋後室・糸屋女房衆等湌呼之」
③ 自慢すること。高慢なこと。また、その人。安永年間(一七七二‐八一)、江戸深川に大ぼら吹きの塩売りがいたところからという。一説に、京都の塩売りの行動からとも。
※洒落本・寸南破良意(1775)髪結「此べらぼうは、おゑねへ塩(シホ)屋だ」
[2] 神戸市垂水区東端の地名高倉山鉄拐(てっかい)山が海にせまる西側の麓にある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「塩屋」の意味・読み・例文・類語

しお‐や〔しほ‐〕【塩屋】

塩を売る家。また、その人。
海水を煮て塩を作る小屋。
「これなる海人あまの―に立ち寄りて」〈謡・松風
自慢する人。高慢な人。
「何かあいつはきつい―だ」〈洒・売花新駅〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の塩屋の言及

【行徳塩田】より

…年貢に納められた残余の塩は,江戸府内および関東奥地に売却された。江戸への販売は,はじめ振売の形態がとられたが,やがて塩屋と唱える問屋的商人が出現した。これらの塩商人は享保期,江戸湾岸産塩を取り扱う地廻塩問屋として幕府から公認され,その数は76軒であった。…

※「塩屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android