宿主・ベクター系(読み)しゅくしゅ・ベクターけい(その他表記)host-vector system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宿主・ベクター系」の意味・わかりやすい解説

宿主・ベクター系
しゅくしゅ・ベクターけい
host-vector system

遺伝子操作実験において,目的とする DNA断片を細胞に導入するために連結する DNAをベクター,ベクターにより組み換え体が移入される細胞を宿主という。宿主とベクターの組み合わせを宿主・ベクター系といい,安全性が高く扱いやすいことが重要である。大腸菌 K12株 (Escherichia coli-K12) を宿主とする EK系,枯草菌マーバーグ 168株 (Bacillus subtilis Marburg 168) を宿主とする BS系,酵母 (Saccharomyces cerevisia) を宿主とする SC系が,日本の組み換え DNA実験指針で認定されている。また,サルの腎細胞と DNA腫瘍 (しゅよう) ウイルス SV40を用いた系,動物細胞とウイルスを組み合わせた系も開発されている。

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化学辞典 第2版 「宿主・ベクター系」の解説

宿主ベクター系
シュクシュベクターケイ
host-vector system

組換えDNA技術を用いて外来遺伝子を大腸菌や培養細胞に導入し,増幅または発現させる場合の受け側(宿主)と,そのなかでうまくはたらくプラスミドやファージベクターの組合せをいう.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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