寂・荒(読み)さびれる

精選版 日本国語大辞典 「寂・荒」の意味・読み・例文・類語

さび・れる【寂・荒】

〘自ラ下一〙 さび・る 〘自ラ下二〙
① 盛んであった人の往来出入りが衰える。にぎやかでなくなる。また、隆盛であったものごとが衰微する。
随筆・賤のをだ巻(1802)「其頃より開帳もさびれて造り物工みて上る沙汰もなし」
放浪記(1928‐29)〈林芙美子〉「今まで働いてゐたカフーが寂れると」
② 荒れはてる。荒廃する。
※あひゞき(1888)〈二葉亭四迷訳〉「サッパリとはしてゐれど〈略〉さびれはてたうちにも、どうやら間近になった冬のすさまじさが見透かされる」

さびれ【寂・荒】

〘名〙 (動詞「さびれる(寂)」の連用形名詞化) 衰えること。荒れはてること。荒廃。衰微。
滑稽本・古朽木(1780)三「町のさびれに成さうなこと故」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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