寄生連鎖(読み)キセイレンサ

デジタル大辞泉 「寄生連鎖」の意味・読み・例文・類語

きせい‐れんさ【寄生連鎖】

食物連鎖における、寄生生物が宿主から養分を奪う「鎖」のつながり。食物連鎖では多くの場合、上位の捕食者ほど個体数が少なくなるが、寄生連鎖の場合、宿主より寄生生物の方が多い。→生食連鎖腐食連鎖

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の寄生連鎖の言及

【食物連鎖】より

…食物連鎖で最も普通に見られるのは生きた生物を食う〈捕食連鎖〉であるが,この場合は,栄養段階の上位の生物は大型であり,個体密度が小さい傾向がある。これに対し,寄生性動物による〈寄生連鎖〉では,宿主より寄生動物の方が身体は小さく個体密度も高い。陸上の森林の樹木などでは,植食動物が生きた植物の部分(葉,材など)を食う〈生食連鎖〉が認められ,また樹木の落葉・落枝や生物の遺骸を食べる動物や微生物から始まる〈腐生連鎖〉もある。…

【生態的ピラミッド】より

…これは,イギリスの生態学者C.S.エルトンが1927年に個体数に着目して提案したので,〈個体数のピラミッド〉または〈エルトンのピラミッド〉と呼ばれている。個体数のピラミッドでは,樹木とその葉や材を食う多数の昆虫の関係(生食連鎖)や,寄生虫と宿主の関係(寄生連鎖)などの場合では倒立する。しかし,これらの場合でも個体数のかわりに生物量(乾物重量,または炭素,窒素などの生物体構成物質量)で表した〈生物量のピラミッド〉では倒立することはなくなる。…

【生物群集】より

…そして,ある種個体群が群集の中で何をしているかという,いわば人間の職業にもあたる生態的地位ecological nicheを明らかにし,その地位を占めていた種が他の種に置き変わる過程や,その地位を占める種たちの間の関係の変化を通じて,群集全体の変化の様相を,さらにはそれから群集自身のいわば構造を知る方向を提唱したのである(1927,30,33)。食物連鎖は概念的に,生きているものを食っていく生食連鎖と死んだものを食っていく腐食連鎖,さらに寄生連鎖の三つに分けられている。そして一般的にいえば,水域(とくに海洋の沖帯)では生食連鎖が卓越し,逆に陸上(とくに森林)では腐食連鎖の卓越することが認められている。…

※「寄生連鎖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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