日本歴史地名大系 「富樫郷」の解説 富樫郷とむかしごう 石川県:加賀国石川郡富樫郷「和名抄」所載の郷。高山寺本・東急本に「止无加之」、刊本に「土無加之」と訓ずる。現金沢市富樫(とがし)町は町名地番の改定を経ているので遺称地とはなりえない。郷域は一四世紀前半富樫氏の守護所が置かれていた現野々市(ののいち)町の北東から、長享二年(一四八八)一向一揆によって富樫氏が滅亡するまで本拠とした現金沢市高尾(たかお)町辺りまでとされている。地形でいえば倉(くら)ヶ岳の北西麓から伏見(ふしみ)川の支流高橋(たかはし)川の中流域一帯にあたる。長岡京跡出土木簡に「(表)富樫郷戸主丸部諸上戸□□(川内カ) 白□(米カ)□□(斗カ)」「(裏)延暦八年□(三カ)月□日□(小カ)□□□(次カ)女」という白米の付札がみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報