対顧客相場（読み）たいこきゃくそうば

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

対顧客相場
たいこきゃくそうば

外国為替銀行 (→外国為替専門銀行 ,　外国為替公認銀行 ) が一般顧客に対して建値する相場。為替銀行は為替取引の種類に応じ，外国為替相場表の形で毎営業日の朝 (土曜日は為替市場が閉鎖されるため建値されない) 公表する。原則として終日変更されないが，1973年8月以降，為替市場で売買幅を上回る変動をみた場合には，同営業日内でも公表建値での取引をやめ，市場実勢相場による個別交渉ができることになっている。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の対顧客相場の言及

【外国為替市場】より

…スワップ取引は，直物取引とその反対方向の先物取引，または受渡し日が異なる相互に反対方向の二つの先物取引を同時に同額，同一の相手方と行うものである。　銀行間市場で成り立つ為替相場(市場相場market rate，あるいは銀行間相場＝インターバンク･レートinterbank rate)は為替銀行の対顧客相場customer rate(顧客相場ともいう)の基準となるが，貿易業者などはこの対顧客相場をいわば与件としてさまざまな対外取引を行い，そこから生じた外国為替の需給が再び銀行間相場に反映される。銀行間市場は，当事者が毎日特定の場所に集合して外国為替の売買を行う取引所がある場合(ドイツ，イタリア，フランスなど)と，電話･テレックス・電子的媒体（コンピューター回線）で個々に行う取引を総合した抽象的な場を指す場合(ニューヨーク，ロンドン，東京など)に分かれる。…

【為替相場】より

…この市場で決定される為替相場をインターバンク･レートまたは市場相場という。為替銀行が商社などの顧客と取引する際の対顧客相場は，このインターバンク･レートをもとに売買手数料，為替リスク料，金利などを織りこんで決定される。対顧客相場には，為替銀行が顧客に外国為替を売る場合に適用される売相場と，顧客から買う場合に適用される買相場とがある。…

※「対顧客相場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」