小地頭(読み)こじとう

精選版 日本国語大辞典 「小地頭」の意味・読み・例文・類語

こ‐じとう‥ヂトウ【小地頭】

  1. 〘 名詞 〙 鎌倉時代、すでに地頭職名主職をもつ御家人が存在する所領に、有力御家人が惣地頭として補佐された場合、前者を呼ぶ称。九州に多い。〔筑後室園文書‐宝治二年(1248)九月一三日・関東下知状案〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の小地頭の言及

【惣地頭】より

…例えば常陸国南郡惣地頭や若狭国遠敷(おにゆう)・三方両郡惣地頭職の場合のように,郡内の荘郷地頭とは別に郡全体に対してなんらかの知行権を有する場合や,郡内の荘郷地頭を集中的に知行し,それらの地頭職の総称としてこれを惣地頭と呼ぶ場合があった。ただし鎌倉時代には惣領制との関連で,所領を分割相続した庶子たちの有した小地頭(こじとう)を統轄して幕府の軍役・番役を勤仕する一族の嫡子をとくに惣地頭もしくは惣領地頭と称した。惣領と庶子によって構成される血縁的結合体としての惣領制は,所領分与にさいし知行の分散を防止するところに起源を有した。…

【別納】より

…平安後期から鎌倉期においては,開発その他の由緒によって特定の領主に庁宣や下文を与え,国衙使等の入部を止めるなどの特権を付与したことをいう。鎌倉時代の九州では,国御家人の所領を安堵したうえで,より広域的に東国御家人に地頭職を付与し,いわゆる小地頭と惣地頭の重層的関係が成立していたが,惣地頭が小地頭の権限を侵すときは,小地頭に別納の下文を与え,惣地頭の支配外におくこととされていた(《御成敗式目》38条)。【工藤 敬一】。…

※「小地頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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