名主職(読み)みょうしゅしき

精選版 日本国語大辞典の解説

みょうしゅ‐しき ミャウシュ‥【名主職】

〘名〙 名主としての名田(みょうでん)に対する権利。領主が承認した名田を経営する権利。名主は領主に対して租税などの賦課を負う責任を伴う。これは売買・譲渡・相伝の対象となる物権となった。名識(みょうしき)
御成敗式目(1232)三八条「惣地頭押妨所領内名主事〈略〉名主又寄事於左右先例、違背地頭者可名主職也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の名主職の言及

【職】より

…またそれに照応して,中央領主の職であった本家職,領家職は,それに見合う年貢・雑公事などの収取が困難となり,かつそのような権利の動揺,在地領主による侵犯が生じても,そのような不法行為を排除してくれる国家の裁判権,強制執行力が衰弱したため,荘園公領制的職の秩序が全般的に崩壊しはじめた。ところがまさしくこの時期に,農村では名主職,作職,下作職などという形で,農民の土地に対する権利が職で表示されるようになる。それらはおそらく,荘園領主権の衰退にともなって農民諸層の耕地に対する私的権利が強まってきたことを示すものであり,得分の面でも,1反当りの名主職得分はしばしば年貢量と同等もしくはそれを上回るほどの量に達している。…

【名主】より

…名主には大別して,〈大名〉の領主的名主,荘郷村落上層の地主的名主,一般百姓名の農民的名主らの諸階層があったが,小百姓,下作人,間人(もうと)ら下層民に対して,それぞれに下級荘官的な職権と得分(とくぶん)(収益権)がみとめられた。これを名主職(みようしゆしき)といい,名主の子孫に伝領され,相伝の道理をめぐる相論の対象になった。名主の職権と得分はやがて生産者農民から分離して物件化し,その加地子得分権が売買譲渡され,それとともに本名の分割,脇名(わきみよう)の分出,新名への改編など旧名体制の解体が進み,そこから成長する農民的な名主百姓の惣村結合が発展していく。…

※「名主職」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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