小脳症候群(読み)しょうのうしょうこうぐん(その他表記)cerebellar syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小脳症候群」の意味・わかりやすい解説

小脳症候群
しょうのうしょうこうぐん
cerebellar syndrome

小脳の障害による臨床症状群で,起立または平衡の障害と,随意運動の障害に大別される。小脳の損傷部位によって,次の3つに分けられる。 (1) 小脳の虫部,特にその後部が侵されたときに起る。体幹性失調が中心症状で,歩行が不安定となり,姿勢や体位の保持ができなくなり平衡バランスが乱れる。 (2) 下肢の運動失調による歩行障害,体位反射の亢進,小脳性けいれん発作が起る。 (3) 小脳半球症候群ともいわれ,筋緊張の低下,患側方向への偏位歩行,協調運動不能など,運動失調がおもな症状となる。遺伝性のものにノンネ症候群,あるいはマリー失調症がある。 M.ノンネはドイツの神経科医 (1861~1959) ,P.マリーはフランスの神経科医 (1853~1940) 。

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