小阿仁(読み)こあに

日本歴史地名大系 「小阿仁」の解説

小阿仁
こあに

現北秋田郡の南西部。北流する小阿仁川流域とその本支流沿いの沢および山地総称で、大阿仁と対名をなす。沢は南北に細長く奥行四〇―五〇キロ、東西四―五キロ、北部に現合川あいかわ町、南部に現上小阿仁かみこあに村がある。

天正一七年(一五八九)の湊合戦に関する湊・檜山両家合戦覚書(秋田家文書)に「大アニハ加成常陸子右馬頭、小アニハ松橋美濃ヲサシ置」とある。中世後期を通じ米内沢よないざわ城主の嘉成氏が全域を支配したが、戦国期安東(秋田)氏に包摂され、以後嘉成氏は安東氏の被官となった。小阿仁川沿いの街道は現南秋田郡五城目ごじようめ町に抜け八郎潟東部と結ばれるため、政治経済上、あるいは文化上、安東氏の影響を早期から受けた模様。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android