山内流(読み)やまのうちりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山内流」の意味・わかりやすい解説

山内流
やまのうちりゅう

現存する日本泳法の一流派。松山神伝流の流れをくむ山内勝重が1823年(文政6)に臼杵(うすき)藩(大分県)の藩士水泳を教えたのが始まりとされている。山内勝重は神伝流を名のらず勝重流と名のり、神伝流にくふうを加えた泳法を伝授した。彼が臼杵を去ったのちに山内流と称し、その後稲川流または清記流ともよんだが、現在は旧に戻り山内流となっている。山内流は扇足(あおりあし)系の泳ぎであるが、基本泳法は斜横法で、神伝流とは趣(おもむき)を異にしているにもかかわらず、泳法の真(しん)・行(ぎょう)・草(そう)の呼称は同一である。立泳の足の使い方は他に類をみず、立泳で大きな旗を振る令旗(れいき)、大旗(おおはた)は山内流独特である。

[笹島恒輔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の山内流の言及

【水泳】より

…蛙足平泳(かえるあしひらおよぎ)の系統。(10)山内(やまのうち)流 松山の浪士,山内勝重が神伝流をもとに1822年に九州臼杵(うすき)藩で開いたもの。(11)神統(しんとう)流 薩摩(鹿児島県)で武術として発生したもので,1500年ころ黒田頼定が確立した。…

※「山内流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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