朝日日本歴史人物事典 「山崎北華」の解説
山崎北華
生年:元禄13(1700)
江戸中期の俳人,狂文家。名は浚明。通称は三左衛門。他に,自堕落先生,不量軒,無思庵,捨楽斎などの戯号がある。諸藩に出仕したが,致仕して隠棲。医業をもって生活し,俳諧に遊んだ。『おくのほそ道』の跡を辿り,松尾芭蕉の霊と問答。さらには,『労四狂』に生と死の問題を凝視。狂文集の嚆矢といえる『風俗文集』では,滑稽な表現の裏に冷徹な自己観察の目をみせる。その一生は過激で,憤激の情と自棄の思いが交錯した作品を生み出した。<参考文献>中野三敏「自堕落先生」(『近世新畸人伝』)
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報