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俳諧 はいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

俳諧
はいかい

日本文学の一形態。「誹諧」とも書く。広義には「俳諧之連歌」 (連句 ) ,発句 (ほっく) ,俳文,俳諧紀行,和詩など俳諧味 (俳味) をもつ文学の総称。狭義には「俳諧之連歌」 (連句) だけをさす。「俳諧」の語は元来「滑稽」を意味する中国の語で,日本では『古今和歌集』に「誹諧歌」の部立があり滑稽な和歌を収めてある。連歌は本来機知的滑稽を主とするものであったが,高度の芸術として完成すると,本来の機知滑稽を主とする連歌は「俳諧之連歌」と呼ばれた。連歌に対して一段低いものとされたが,室町時代に山崎宗鑑荒木田守武によって興隆の機運が開かれ,江戸時代には庶民の文学として普及し,江戸時代の文学の重要な一ジャンルとなった。松永貞徳らの貞門俳諧,西山宗因らの談林俳諧松尾芭蕉らの蕉風俳諧,与謝蕪村らの中興俳諧,小林一茶らの文化文政期の俳諧などが,ピークを形成している。この時代には俳諧が職業として成立,無数の点者,宗匠が輩出した。また俳諧から派生したものに滑稽風刺を旨とする川柳 (せんりゅう) ,雑俳がある。明治になると,正岡子規を中心とする改革運動が起り,連句を捨去り発句だけがつくられるようになり,俳句と呼ばれるようになった。

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百科事典マイペディアの解説

俳諧【はいかい】

発句(ほっく)と連句の総称。もともとは漢詩や和歌の用語で,滑稽や機知諧謔(かいぎゃく)を主とすること。早く《古今和歌集》雑体の部に誹諧歌(はいかいか)がある。のち,俳諧の連歌の略。
→関連項目小川破笠狂句宗鑑貞徳俳句前句付三宅石庵連歌

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世界大百科事典 第2版の解説

はいかい【俳諧】

漢詩,和歌,連歌,俳諧等の用語。〈誹諧〉とも書くが,〈俳諧〉のほうが一般的である。俳諧はもと中国で滑稽とほぼ同じ意味に用いられた言葉で,機知的言辞が即興的にとめどもなく口をついて出てくることをいう。現在残っている作品はそう多くはないが,中国の詩に詼諧体,俳諧体というのがあった。日本文学で俳諧(誹諧)という言葉が用いられるようになったのは10世紀初頭のころからで,《古今和歌集》巻十九〈雑体〉の部に〈秋の野になまめきたてる女郎花あなかしがまし花もひと時〉(僧正遍昭)以下58首の〈誹諧歌〉が収められている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

俳諧
はいかい

和歌、連歌(れんが)、俳諧用語。誤って「誹諧」とも書いた。俳優の諧謔(かいぎゃく)、すなわち滑稽(こっけい)の意。『古今和歌集』巻第19に「誹諧歌」として収める58首の和歌は、ことごとく内容の滑稽な歌である。連歌の一体である「俳諧之連歌」は、滑稽な連歌の意で、連歌師の余技として言い捨てられていたが、純正連歌の従属的地位を脱し、詩文芸の一ジャンルとして独立するに伴い、「俳諧」とだけ略称されるに至った。最初の俳諧撰集(せんしゅう)は1499年(明応8)成立の『竹馬狂吟(ちくばきょうぎん)集』であるが、1524年(大永4)以後に山崎宗鑑(そうかん)編『誹諧連歌抄』(『犬筑波(いぬつくば)集』)が、1536~1540年(天文5~9)には荒木田守武(もりたけ)の『守武千句』が相次いで成り、俳諧独立の気運を高めた。17世紀に入ると、松永貞徳(ていとく)を盟主とする貞門(ていもん)の俳諧が全国的規模で行われた。俳風はことば遊びの滑稽を主としたが、見立(みたて)や付合(つけあい)がマンネリズムに陥り、より新鮮で、より強烈な滑稽感の表出をねらう、西山宗因(そういん)らの談林(だんりん)俳諧に圧倒された。談林は1660年代の中ごろ(寛文(かんぶん)中期)から1670年代(延宝(えんぽう)期)にかけてのわずか十数年間で燃焼し尽くし、1690年代(元禄(げんろく)期)以降は、芭蕉(ばしょう)らの蕉風俳諧にみられるような、優美で主情的な俳風が行われた。18世紀の初頭を軸として、連句中心から発句(ほっく)中心へと俳諧史は大きく転回するが、蕪村(ぶそん)も一茶(いっさ)も連句を捨てたわけではない。連句が否定され、発句が俳句へと変身を遂げたのは、近代に入ってからのことである。[乾 裕幸]

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世界大百科事典内の俳諧の言及

【季語】より

…一定の季節と結びつけられて,連歌,俳諧,俳句で用いられる語を季語(または季題)という。少数の語の季語化は,《古今和歌集》以下の勅撰和歌集でなされていたが,季語化の意識が強くなったのは,四季の句をちりばめて成立する連歌においてである。…

【俳言】より

…俳諧用語。俳諧の制作に用いることばのうち,俗語,日常語,ことわざなど和歌・連歌に嫌うことば,音読する漢語,鬼,女,竜,虎,狼など千句連歌に一度だけ使用を許された耳立つことばをいう。…

【俳論】より

…俳諧・俳句用語。俳諧・俳句の本質,理念,方法,規則,語彙などに関する論の総称。…

※「俳諧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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