ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェリペ5世」の意味・わかりやすい解説
フェリペ5世
フェリペごせい
Felipe V
[没]1746.7.9. マドリード
スペイン王 (在位 1700~24,24~46) 。フランス王ルイ 14世の孫でスペインのブルボン王家の開祖。フランスに生れアンジュー公フィリップとして育ったが,ハプスブルク家最後のスペイン王カルロス2世に王位を遺贈され,これによりスペイン継承戦争 (01~14) が起った。しかし王妃サボイアのマリア・ルイザの援助でスペインの人心を掌握。ユトレヒト条約により,ネーデルラント,イタリア領などを失ったが,王位を確保した。またフランスの王位も継承しようとして女王を認めない『サリカ法典』を採用 (13) ,のちのカルリスタ戦争の原因をつくった。マリア・ルイザの死後再婚したパルマのイサベル・ファルネセの影響で,ナポリ,シチリア,パルマなどを奪還。フランスにならって税制改革,商工業の振興,宮殿の増改築,科学アカデミー創立などを行なった。 1724年に息子のルイス1世に譲位したが,新王は数ヵ月後に没し,再び王位についた。 30年代以降狂気に悩まされ,国政はほとんど王妃により進められた。
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