最新 地学事典 「岩手火山」の解説
いわてかざん
岩手火山
Iwate volcano
盛岡北西にある標高2,041mの成層火山群。気象庁の活火山名は岩手山。松川安山岩・網張火山群(1.5~1.0Ma)と岩手火山からなり,後者は旧岩手火山体(旧岩手第1~3期)と新岩手火山体からなる。基盤は玉川溶結凝灰岩類など。旧岩手第1期には玄武岩質安山岩の大量の火砕岩を噴出し,成層火山体を生じた後,鬼又カルデラ(0.15Ma)を形成。このカルデラ内を中心に,第2期の玄武岩質溶岩~火砕岩が噴出し,0.06Maころに西岩手カルデラを形成。第3期には,このカルデラ内に安山岩質の御苗代および御釜火口丘が生じた(5万~3万年前)。約5,000年前に山体東側に馬蹄形の東岩手カルデラが生じ,このカルデラ内と山腹に,おもに玄武岩質火砕岩~溶岩からなる新岩手火山(薬師岳)が形成された。有史の活動として,1732年に活動した焼走溶岩流がある。本火山噴出物は少量のソレアイト質~カルクアルカリ質安山岩を伴うものの,その多くはソレアイト質玄武岩~苦鉄質安山岩である。これらについてはpolybaric fractionationの寄与が指摘されている。参考文献:中川光弘(1987) 岩鉱,82巻
執筆者:吉田 武義・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

