カルデラ(読み)かるでら(英語表記)caldera

翻訳|caldera

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルデラ」の意味・わかりやすい解説

カルデラ
かるでら
caldera

火山地域に存在する直径1.5キロメートル以上の窪地(くぼち)。地下に空洞ができて陥没した結果生じる陥没カルデラ火山爆発火口壁や火道上部が大規模に吹き飛ばされて生じるじょうご形の爆発カルデラ、火山体が崩壊して生じる馬蹄(ばてい)(U字)形の崩壊カルデラなどがある。このほかに、火山活動に直接関係なくてできる侵食カルデラもある。スペイン語で鍋(なべ)の意で、カナリア諸島の火山島の窪地に名づけられたのがおこりである。世界のおもなカルデラは、大噴火、とくに大規模な火砕流が発生し、多量のマグマが一挙に噴出された直後、山頂部が陥没して生じた陥没カルデラである。日本で最大の屈斜路(くっしゃろ)カルデラや阿蘇(あそ)カルデラなども陥没カルデラと考えられる。2000年(平成12)の三宅(みやけ)島噴火では、地下でマグマが移動したために、火山体の中に空洞ができて陥没カルデラが生じた。

諏訪 彰・中田節也]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルデラ」の意味・わかりやすい解説

カルデラ
caldera

火山活動によって火山体に生じた凹地。噴火時にできた火口とは区別され,火口よりも大きい。スペイン語で大鍋の意味。内側は急崖で,外側は緩斜面からなる。爆発カルデラ,陥没カルデラ,浸食カルデラに分けられるが,大部分は陥没カルデラである。爆発カルデラは,大水蒸気爆発によって山体上部が崩壊して形成されるもので,馬蹄形になる (磐梯山ベズビオ火山など) 。陥没カルデラには,クレーター・レーク型 (十和田湖支笏湖屈斜路湖など。→カルデラ湖) ,キラウェア型などがある。浸食カルデラは,火口壁またはカルデラ壁の浸食,崩壊によって,噴火口やカルデラが拡大したものをさす。日本は狭い国土に比してカルデラが多く,阿蘇カルデラ,姶良(あいら)カルデラなどは長径 20km以上で,世界最大級である。

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