20世紀日本人名事典 「川上 宗薫」の解説
川上 宗薫
カワカミ ソウクン
昭和期の小説家
- 生年
- 大正13(1924)年4月23日
- 没年
- 昭和60(1985)年10月13日
- 出生地
- 愛媛県
- 学歴〔年〕
- 九州大学英文科〔昭和25年〕卒
- 経歴
- キリスト教の牧師だった父親の関係で、大分、長崎で育つ。長崎の原爆で母と二人の妹を失う。大学を卒業後、長崎、千葉の高校で約10年、英語教師をつとめるかたわら純文学作家として執筆。昭和29年上期の芥川賞候補以来、同賞候補になること5回。その後、ハイティーン向の少女小説を手がけ、やがて現代の性を描く作家へ転身。大胆な官能描写による小説で流行作家となった。風俗小説やセックス小説に新分野を開いた作品には「夜の残り」「不倫」「銀座地獄変」などがあるが、60年5月にも「俺は癌だぞ、文句あっか」を執筆するなど、最後まで創作意欲は衰えなかった。「川上宗薫自撰全集」(全10巻)、「川上宗薫芥川賞候補作品集(全1巻)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報