プロテスタント教会を牧する教師の職名。カトリック教会では司祭,東方正教会も司祭と呼ぶ。牧師の理解は教派によって相違するが,ほぼ共通しているのは,第1に按手(按手礼)を受けている教師であること,第2に,神学校の教師や宣教師とは異なり,自分の国の教会の,一個もしくは数個の教会に定住して,説教や牧会にあたることである。同じように教会で働いていても,按手を受けていない教師を伝道師と呼ぶ場合がある。牧師の第1の任務は説教を中心に,聖書の説き明かしをすることであり,これを神の言葉への奉仕と呼ぶ。英語で牧師をミニスターminister(奉仕者)と呼ぶときは,その務めを強調している。それに対してパスターという呼称は,元来は〈羊を養い育てる者〉という意味の言葉であり,教会という集団とその成員である信徒ひとりびとりを愛し,指導する牧会の務めを果たす者の意である。
執筆者:加藤 常昭
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一般的には牧会者の意。聖書で神やキリストを羊(ひつじ)の牧者に例えたことに発する呼称。具体的にはプロテスタント・キリスト教会の教職者(聖職者)で、一または数個の教会の牧会、伝道の責任者たる人。按手礼(あんしゅれい)(頭の上に手を置いて、その人物を聖別し、聖職に任命する儀式)をもって任職された教師として一般信徒と区別され、職責において神学教師、巡回教師などと区別される。
[金井新二]
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…これによって司祭は司教の牧職にあずかり,個々の教会共同体の司牧(牧会)がゆだねられる。特にプロテスタント教会で〈牧師〉と呼ぶ習慣はここから来る。【土屋 吉正】
[祭壇付司祭]
都市などの大きな教区において,教区司祭を助けてミサをあげる下級聖職者をいう。…
…これらの点から,一般に羊は,牧夫による放牧管理の度が高く,人への依存度の高い家畜とみなされている。キリスト教世界で,〈牧夫shepherd(pasteur)〉という語が,過ちを犯す民を教導する〈牧師〉を指す語に転用されているのは象徴的である。ところで,この追随性の高い羊群の行動の統御は,牧夫に付き従い,群れを先導するものを群れにいれ,それをコントロールすることによってよく達成される。…
※「牧師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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