川尻石器時代遺跡(読み)かわじりせっきじだいいせき

国指定史跡ガイド 「川尻石器時代遺跡」の解説

かわじりせっきじだいいせき【川尻石器時代遺跡】


神奈川県相模原(さがみはら)市緑区谷ヶ原にある集落跡。富士裾野に発した相模川が相模台地に出て、南に大きく進路を変える北岸の段丘上に位置する。この遺跡は大正年間から遺物が豊富で、地下には石が集合した場所があることが知られており、1929年(昭和4)の発掘調査で、縄文時代後期とみられる敷石住居跡1軒が発見され、1931年(昭和6)に国の史跡に指定された。その後も調査範囲を広げながら数多くの発掘調査が実施され、1989年(平成1)からの調査では、それまでに知られていなかった古墳時代~平安時代の集落跡と旧石器時代の遺構・遺物が発見された。縄文時代中期の竪穴(たてあな)住居跡46軒、後期の敷石住居跡1軒なども確認された。遺跡の全容が明らかになったことなどから、2006年(平成18)に3度目の追加指定があった。JR横浜線橋本駅から神奈中バス「久保沢」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android