帯広叢書(読み)おびひろそうしよ

日本歴史地名大系 「帯広叢書」の解説

帯広叢書
おびひろそうしよ

四七巻五五冊 帯広市図書館編 帯広市 昭和三〇年―(刊行中)

解説 道内市町村刊行の最初の叢書。昭和三〇年郷土の社会教育資料の保存と利用を目的に始められ、第一巻「愛郷誌料―東北海道アイヌ古事風土記資料」以下第一五巻までを帯広社会教育叢書、第一六巻以降を帯広叢書という。第七・八巻「渡辺勝・かね日記」、第一九巻「鈴木親長 北海道十勝国移住案内」(上記の三人は明治一五年帯広入地の晩成社関係者)以外、第三四巻まではすべて吉田巌(明治一五年―昭和三八年)稿本(アイヌ文化研究・歌集・自伝・日記など)の活字化。第三五巻「吉田巌資料集」一以下第四七巻(同資料集一三、平成一四年刊)までは、平成六年発足の吉田巌遺稿集編集委員会による新方針で吉田巌関係資料を編集・刊行。本叢書の大部分を提供した吉田巌は、明治末から昭和初期までアイヌ子弟の教育にたずさわり、その後もアイヌ民族の風俗・伝承・言語等を研究、論文著書を発表。膨大な遺稿を残し、帯広市立図書館に保存・整理されて本叢書の中心となってきた。第三五―四一巻・四三巻には写真版の「原資料編」が一冊ずつ付く。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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