叢書(読み)ソウショ

  • ×叢書

デジタル大辞泉の解説

(「双書」とも書く)同じ種類・分野の事柄を、一定の形式に従って編集・刊行した一連の書物。シリーズ。「歴史物語叢書
多くの書物を集大成したもの。「四庫全書」「群書類従」の類。

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世界大百科事典 第2版の解説

出版形式の一つ。一度世に出た単行書物を集め,一定書式に整え,総名を冠し,ひとまとめの書物として再出版したものをいう。単行書(単行本)に対応する概念。中国では,蔵書家書舗の出版が通例だが,個人や家族の全集に相当するものもある。文人つまり読書人が社会の支配者となった中国では,他の社会にもまして書物は大切にされ,朝廷や蔵書家への書物の集中が常に志向された。しかし集中されたがために逆にこれらは動乱によって一挙に分散・消滅する運命にもあった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ある分野またはある主題に関連する一群の著作を、計画的に集めて出版するもので、「○○シリーズ」ともいわれる。外国語ではseries(英語)、srie(フランス語)、Reihe, Gesammeltung(ドイツ語)、またはlibrary(英語)、bibliothque(フランス語)、Bibliothek(ドイツ語)などという。最近は叢書形式のものをも全集と称することがあるが、個人の著作集である「全集」とは区別しなければならない。研究、読書の便宜を図るための選集であり、広く古典を集めた文庫本、新著述を集めた新書判、ペーパーバックスpaperbacksなどは、終期を定めず継続的に発行される。
 中国では叢書は南宋(なんそう)ごろ(12世紀)に始まり、18世紀の清(しん)代には古典の逸書や稀覯(きこう)書を採訪して叢書が行われた。最大の叢書は乾隆(けんりゅう)帝の『四庫全書』1万200余部3万4000巻で、複本を写して南北八閣に置いた(1733~82)。日本では塙保己一(はなわほきいち)の『群書類従』が1600余部2000余巻として、1779年(安永8)から1822年(文政5)に出版された。明治・大正までは学術的叢書が主であったが、1927年(昭和2)1月改造社の『現代日本文学全集』、新潮社の『世界文学全集』のいわゆる円本の発行により、叢書も大量販売時代に入って、現在のペーパーバックス競争時代になった。[彌吉光長]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 種々の書物を集め、一大部冊としたもの。「故実叢書」「群書類従」の類。〔広益熟字典(1874)〕
② (「双(サウ)書」とも) 同じ種類の事柄について集め、また、一定の形式に従って継続して刊行する書物。シリーズ。
※和解(1917)〈志賀直哉〉九「或る本屋から叢書の一つとして自分の前に書いたものを出したいと云って来た」

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世界大百科事典内の叢書の言及

【漢魏叢書】より

…明の程栄が編纂し38種を収める。叢書というのは,一度世に出た単行の書を集め総名を冠して再出版したもので,書舗による営利出版の性格が強い。本書が好評を博したので,明の何允中による76種本《広漢魏叢書》,清の王謨の94種本《増訂漢魏叢書》など約8種類の漢魏叢書が続々と出版されたが,テキストとしての価値は程栄のものに劣る。…

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