普及版 字通 「广」の読み・字形・画数・意味
广
3画
[説文解字]
[字形] 象形
崖によって屋根がけした家。巌窟の家。〔説文〕九下に「厂(かん)に因りて屋を爲すなり。對刺高屋の形に象る。~讀みて儼然(げんぜん)の儼の(ごと)くす」とあり、また厂九下については「山石の崖巖、人の居るべきところなり。象形」とあって、いわゆる「いわや」、その屋根がかりしたものを广という。古くは聖屋にその地勢を用いることが多く、巌窟そのものが聖所であったかもしれない。金文の广に従う字に、そのような建物が多い。
[訓義]
1. がけふちのいえ。
2. いえ、たかいいえ。
3. むなぎ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕广 オホフ 〔立〕广 ヤネイ 〔字鏡集〕广 ヤ・オホフ
[部首]
〔説文〕に府・廱・庠以下四十九字、また〔新附〕に六字、〔玉〕に(よく)・(庭)以下百六十七字を属する。廱(よう)は周の鎬京辟廱(こうけいへきよう)、または離宮別館の称で、ともに金文にみえる。
[語系]
广・嚴(厳)ngiamは同声。巖(巌)ngeamも声近く、巌窟のあるところが、荘厳の所とされたのであろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報