広・寛・濶・弘(読み)ひろい

精選版 日本国語大辞典 「広・寛・濶・弘」の意味・読み・例文・類語

ひろ・い【広・寛・濶・弘】

〘形口〙 ひろ・し 〘形ク〙
① 空間・面積が大きい。幅・奥行が狭くない。
万葉(8C後)五・八九二「天地は 比呂之(ヒロシ)といへど 吾が為は 狭(さ)くやなりぬる」
② 豊かである。充実している。
(イ) 豊満である。ふくよかである。
※万葉(8C後)九・一七三八「胸別(むなわけ)の 広(ひろき)吾妹(わぎも) 腰細の すがる娘子(をとめ)の」
(ロ) 数が多い。繁栄している。
※万葉(8C後)七・一〇八六「靫(ゆき)懸くる伴の男広伎(ひろキ)大伴に国栄えむと月は照るらし」
③ 多方面に行き渡っている。及ぶ範囲が大きい。手広い
※蘇悉地羯羅経略疏寛平八年点(896)「二に泛(ヒロク)行ふべき所の事を示す」
④ ゆったりしている。悠々としてこだわらない。おうようである。
書紀(720)崇神即位前「既に壮にして寛博(ひろく)謹慎みて」
源氏(1001‐14頃)梅枝「ひろき心ゆたかならず」
[補注]動詞「ひらく(開)」また「ひら(平)」、「はら(原・腹)」と語源的に関係があると思われる。
ひろ‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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