普及版 字通 「庚(漢字)」の読み・字形・画数・意味
庚
人名用漢字 8画
[字訓] きねつく・かのえ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
午(ご)+(きょう)。両手で午(杵(きね))をもち舂(うすつ)く形。〔説文〕十四下に「西方に位す。秋時、物庚庚として、實(みの)るるに象るなり。庚は己を承く。人の臍(へそ)に象る」とするのは、当時の五行説によるものであるが、字の形義をえがたい。脱穀・精白して生ずるものは、庚に粉末の形を加えた康で、糠・の初文。ゆえに庚は脱穀することをいう字とみられる。金文の図象に、台座の上に庚形の楽器を樹てた形のものがあり、あるいは康楽の意であろう。
[訓義]
1. きねつく、うすつく。
2. つぐ、くりかえす、さらに、かわるがわる。
3. に通じ、つぐ、つぐなう。
4. と通じ、みち、とおる、すぎる。
5. とし。
6. 十干の一。かのえ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕庚 コハシ・アラシ・トル・イタヅラ/長庚 ユフヅヅ 〔字鏡集〕庚 サラニ・カノエ・トル・コハシ・イタヅラ・アラシ・クラシロ
[声系]
〔説文〕に庚声として(唐)・(康)、および声・康声の字を収める。は庚下に祝の器((さい))をおく形。脱穀は神聖な作業で、その場所を中唐という。
[熟語]
庚兄▶・庚穴▶・庚甲▶・庚庚▶・庚日▶・庚帖▶・庚辛▶・庚信▶・庚泥▶・庚伯▶・庚伏▶・庚郵▶
[下接語]
後庚・商庚・先庚・倉庚・長庚・同庚・年庚・納庚・由庚
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報