府中郡(読み)ふちゆうぐん

日本歴史地名大系 「府中郡」の解説

府中郡
ふちゆうぐん

織豊時代の一時期私称された郡名で、慶長三年(一五九八)のいわゆる太閤検地関係史料にその名がみえる。

敦賀城主大谷刑部少輔吉継知行分の越前府中郡在々高目録(慶長三年九月)によれば、その範囲は南仲条みなみなかじよう郡のうち現南条郡今庄いまじよう町・河野こうの村一帯を除く地域、および丹生北郡のうち現武生市北西部一帯と現丹生郡宮崎みやざき村・織田おた町・越前えちぜん町の各一部を含む。さらに越前之国府中郡内大滝村検地帳(大滝神社文書)・越前国府中郡内倉谷村検地帳(畠山家蔵)など、「府中郡」を冠する大滝おおたき(現今立郡今立町)倉谷くらたに(鞍谷)(現武生市)は当時今南東いまなんとう郡であったと思われるから、府中郡は、府中を中心に南仲条郡・丹生北郡・今南東郡にわたる地域の総称であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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