福井県中央部、南条郡にあった旧村名(河野村(むら))。現在は南越前(みなみえちぜん)町の北西部を占める一地区。2005年(平成17)南条(なんじょう)町、今庄(いまじょう)町と合併して南越前町となる。旧村域は、若狭(わかさ)湾の東岸に位置し、河野川が流れる。面積の90%以上を山林が占めている。越前断層海岸として有名な臨海地には、糠(ぬか)、甲楽城(かぶらき)、今泉(いまいずみ)、河野、大良(だいら)、大谷(おおたに)があり、名称は、北前船(きたまえぶね)交通で発達した河野に由来する。今泉は中世以降発達した越前海岸と武生(たけふ)(現、越前市)を結んでいた西街道の玄関口。海岸部は越前加賀海岸国定公園に含まれる。国道8号、305号、河野海岸道路が通じ、とくに後者の開通後は海水浴の宿泊施設として民宿が増加している。
[木下昭三]
『『河野村誌』4巻(1980~1984・河野村)』
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