延える(読み)はえる

精選版 日本国語大辞典 「延える」の意味・読み・例文・類語

は・えるはへる【延】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]は・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 「はう」に対応する他動詞形 )
  2. 糸・紐(ひも)・綱や、布・袖などを長く引きのばす。のばしひろげる。長くはわせる。
    1. [初出の実例]「墨縄を 播倍(ハヘ)たる如く」(出典万葉集(8C後)五・八九四)
  3. 転じて、心情ことばなどを相手に届くようにする。心をよせる。ことばをかける。
    1. [初出の実例]「蓴(ぬなは)繰り 波閇(ハヘ)けく知らに 我が心しぞ いや愚(をこ)にして 今ぞ悔しき」(出典:古事記(712)中・歌謡)
  4. 数を順次ふやす。
    1. [初出の実例]「数へて見ればこはいかに十といひつつ四つはへて」(出典:浄瑠璃・吉野忠信(1697頃)三)

延えるの補助注記

室町時代頃からヤ行にも活用した。→はゆ(延)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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