ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「廷臣論」の意味・わかりやすい解説
廷臣論
ていしんろん
Il cortegiano
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…フィレンツェのメディチ家,ミラノのスフォルツァ家はその典型である。作家カスティリオーネはウルビノの宮廷に範をとり,優雅さと良き趣味とを兼ね備える典型的宮廷人の姿をその著《廷臣論》(1528)に描いたが,これはやがて最盛期を迎える宮廷文化の典範となるべきものであった。 これら領邦君主の宮廷は,中央への権力集中が進展する16世紀に入ると,なお割拠状態の続いたドイツ,イタリアを別とすれば,しだいにその栄光を失い,国王の宮廷がその独占的な地位を明確にし始める。…
…ルネサンスにおいて,ブルゴーニュやネーデルラントの音楽がドイツ語圏の宮廷で広く使われたり,ルイ王朝の音楽やイタリア・バロックの音楽が国を超えて使われたのは,音楽上のモデルというだけでなく,政治・文化のモデルとしての機能があったからである。音楽,舞踊を含めて宮廷人のあり方を記したB.カスティリオーネの《廷臣論》(1528)が英訳もされたことは,こうしたモデル意識をよく表している。他方,東洋に目を転じれば,東アジアでは,中国が〈モデル国家〉の役割を果たしてきたため,その音楽が日本と朝鮮の宮廷に入った。…
※「廷臣論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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